ガルバリウム鋼板の補修方法と費用相場|後悔しない選び方ガイド
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- 7月15日
- 読了時間: 14分

▶︎1. ガルバリウム鋼板はなぜ補修が必要なのか?

1.1 ガルバリウム鋼板の特徴とよく使われる場所
ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛を主成分とする金属素材で、耐久性と防錆性に優れた建材として知られています。屋根や外壁、雨どいなどに幅広く使われています。
特に最近では軽量かつ長寿命という理由から、リフォーム市場でも採用が増えてきています。
よく使われる場所としては次のような部分が挙げられます。
戸建て住宅の屋根(特に切妻屋根や片流れ屋根)
外壁(ガルバリウム鋼板サイディング)
カーポートや物置の屋根・壁面
工場・倉庫などの金属系建築物
見た目がスッキリしていて、デザイン性にも優れている点が人気の理由です。
ただし、いくら耐久性が高いといっても、万能ではありません。環境条件や経年劣化により、錆びたり変形したりすることもあります。
とくに沿岸地域や積雪地帯など、湿気や塩分が多い場所では劣化が早まる傾向があります。
こうした性質を正しく理解しておくと、劣化の初期サインを見逃しにくくなります。
1.2 劣化の原因と補修が必要になる理由
ガルバリウム鋼板が劣化する原因は、主に次の3つです。
経年劣化(紫外線・酸性雨)
時間が経つにつれ、表面のコーティングが徐々に薄れ、金属部分がむき出しになります。
外的要因(飛来物や施工ミス)
台風で飛んできた枝や、取り付けミスによって、へこみやキズが発生することもあります。
水分の滞留や錆び
ガルバリウム鋼板自体は錆びにくいですが、接合部や釘まわりに水分が溜まると、局所的に錆が広がります。
こんな症状が出たら、補修の検討が必要です。
表面に茶色や赤茶の錆が出ている
パネルが一部浮いてきている
ビスや端部に腐食が見える
雨漏りしているような気配がある
これらを放置すると、劣化が一気に進行し、本来10年以上もつはずの屋根材が5年未満で張り替えになるといったケースもあります。
また、見た目の劣化が進むと住宅全体の印象も悪くなり、資産価値にも影響します。
早めの補修は「費用」と「安心感」の両面でメリットが大きいんです。
▶︎2. ガルバリウム鋼板の劣化症状と補修が必要なサイン

2.1 錆・浮き・へこみなど、代表的な劣化パターン
ガルバリウム鋼板は錆びにくい素材とされますが、長年の風雨や紫外線によるダメージには少しずつ影響を受けていきます。その結果、さまざまな劣化症状が現れてきます。
特に多い劣化パターンは以下の3つです。
錆(サビ)
接合部やビス周辺など、水がたまりやすい箇所から赤茶色の錆が発生します。見落とされがちですが、小さな錆も放置すれば内部まで腐食が進行します。
浮き・反り
鋼板と下地の間に隙間ができて、表面が浮いて見えることがあります。これは熱膨張や湿気によって起こりやすく、雨漏りの原因にもなりやすいです。
へこみ・キズ
飛来物の衝突や、施工中の不注意などでできたへこみや傷は、そこから錆や雨水の浸入が起きやすくなります。
これらはどれも初期の段階であれば部分補修で対応できますが、放置すると全体張り替えに発展することもあるため注意が必要です。
2.2 セルフチェックのポイントと見落としがちな場所
ご自宅の屋根や外壁をセルフチェックするだけでも、ガルバリウム鋼板の劣化の兆候をある程度見つけることができます。
以下のようなポイントを意識して見てみてください。
セルフチェックの基本ポイント
日中の明るい時間に行う
雨上がりや風の強い翌日が劣化を見つけやすい
高所作業は避け、できるだけ地上から双眼鏡などを使って確認する
チェックすべき主な箇所は以下のとおりです。
接合部やビスまわり:赤錆が出ていないか
端部:浮きや反りがないか
雨どいの下:水染みや雨だれがないか
屋根の縁:風でめくれたりしていないか
また、見落とされやすいのが「裏側」や「北側」など日陰部分です。
これらの部分は湿気がたまりやすく、苔やカビが発生して錆を早める原因となります。
日常的に見る機会が少ない場所こそ、定期的な点検を心がけることが大切です。
2.3 放置による3つのリスクとその影響
劣化症状に気づいていながら放置してしまうと、次のような深刻なリスクを招くことがあります。
① 雨漏りの発生
小さな浮きやキズが雨水の侵入口となり、内部の防水層や木材に水が染み込んでしまいます。最悪の場合、天井や壁の張り替えまで必要になることもあります。
② 鋼板の内部腐食
目に見える部分の錆だけでなく、内部まで腐食が進むと、金属の強度が落ち、地震や強風時にめくれたり破損しやすくなります。
③ 補修コストの増加
初期段階での補修なら数万円で済むところが、全面張り替えになると50万円以上かかるケースもあります。早めの対応が金銭面でも大きな差になります。
たとえば、外壁の浮きを2年間放置した結果、壁内の断熱材まで交換する大工事が必要になったというような事例も少なくありません。
「まだ大丈夫」と思って先延ばしにすると、結果的に大きな負担につながることが多いんです。
▶︎3. ガルバリウム鋼板の補修方法と業者選び

3.1 主な補修方法(部分補修・塗装・張り替え)
ガルバリウム鋼板の補修には、劣化の程度や範囲によって3つの代表的な方法があります。
それぞれの特長と適したケースを見ていきましょう。
① 部分補修
軽度の錆や小さなへこみ、コーキングの劣化などに対応します。
コーキング材の打ち替えや、パテ埋め、部分張替えなどが主な作業内容です。
費用:1~5万円程度(1カ所)
工期:半日〜1日
特徴:劣化初期の段階でコストを抑えて補修可能
② 塗装によるメンテナンス
表面の色あせや防水機能の低下が見られる場合に有効です。
専用塗料を使用して保護層を復活させることで、美観と耐久性を同時に向上できます。
費用:40〜70万円前後(30坪住宅の屋根)
工期:3~5日
特徴:防錆・防水性能が蘇り、見た目も一新
③ 全面張り替え
穴あきや広範囲な腐食、下地材の劣化が見られる場合には、鋼板の張り替えが必要です。
耐用年数をリセットできる大がかりな工事です。
費用:80〜150万円(屋根全体)
工期:1週間前後
特徴:高額だが、20〜30年レベルの安心が得られる
どの補修方法を選ぶかは、劣化の進行度・予算・将来のリフォーム計画によって大きく変わります。
3.2 DIYの可否と注意点
「ちょっとした錆くらいなら自分で直せるのでは?」
と思う方も多いかもしれません。実際にホームセンターでは補修用塗料やコーキング材も販売されています。
しかし、DIYでの補修には次のような注意点があります。
高所作業が危険(屋根や2階部分は特にリスク大)
表面だけ直しても内部の劣化は見抜けない
使用する材料や塗料が不適切だと、逆に劣化が進む
特に屋根の上は、一見安全そうでも滑りやすく、転倒や転落事故のリスクが常にあります。
また、補修後に「やっぱり業者に頼めばよかった」となり、結局やり直しになってしまうケースも少なくありません。
以下のような場合には、DIYは避けた方が無難です。
2階以上の高さで作業が必要
錆が広範囲に出ている
雨漏りが起きている
張り替えが必要かどうか判断できない
無理せずプロに相談することが、安全と結果の両面で正解になることが多いです。
3.3 専門業者に依頼するメリットと選び方のポイント
専門業者に依頼することで、次のようなメリットが得られます。
● 正確な劣化診断
表面の症状だけでなく、内部の腐食や下地の状態までチェックできるので、必要な補修だけに絞った的確な工事が可能です。
● 専用機材と高品質な施工
専用の塗料や道具を使い、技術的にも熟練した職人が施工するため、見た目も仕上がりも安心感が違います。
● 保証やアフターサービスがある
工事後に何かトラブルがあった際、しっかり対応してもらえるのも大きなメリットです。
業者選びの際に注目すべきポイントは以下の通りです。
ガルバリウム鋼板の施工実績があるか
写真付きでわかりやすい見積もりが出せるか
説明が丁寧で強引な営業がないか
施工後の保証内容が明記されているか
見積もりや現地調査は無料のところも多いため、複数社を比較することが後悔しない選び方につながります。
▶︎4. ガルバリウム鋼板の補修費用の相場とコストダウンのコツ
4.1 補修内容別の費用目安(㎡単価・部位ごと)
ガルバリウム鋼板の補修費用は、施工内容・劣化の程度・施工面積などによって大きく変動します。
以下に代表的な補修方法と、その一般的な費用目安をまとめます。
補修内容 | 費用目安(1㎡あたり) | 特徴 |
部分補修(パテ埋め・ビス交換など) | 約3,000〜8,000円 | 小規模で済むなら低コスト |
塗装(再塗装) | 約3,500〜6,000円 | 美観と防錆性が回復 |
張り替え(葺き替え) | 約8,000〜15,000円 | 劣化が激しい場合に必要 |
屋根全体を葺き替える場合、30坪住宅で80〜150万円程度になることもあります。
部分補修で済むなら、1~5万円前後とかなりコストを抑えることができます。
また、補修費用は次のような要素でも変わってきます。
高所作業の有無(足場が必要かどうか)
使用する塗料や鋼板のグレード
地域の施工単価(都市部と地方で差が出る)
同じ面積でも工事内容によって2〜3倍の差が出ることも珍しくありません。
だからこそ、適正価格を知っておくことが大事なんです。
4.2 火災保険や自然災害保険の適用条件
実は、ガルバリウム鋼板の補修には火災保険や風災・雪災などの自然災害保険が適用できるケースがあります。これを知らずに全額自己負担してしまう方も多いので要注意です。
火災保険の対象になる主なケース:
台風・強風による鋼板の剥がれや浮き
雪や雹によるへこみや割れ
落下物による外壁や屋根の破損
適用の条件としては、次のような点が挙げられます。
原因が自然災害であると証明できること
被害があってから3年以内に申請すること
保険の契約内容に「風災・雪災・落雷」などの項目が含まれていること
申請には施工業者による現地調査報告書や被害写真が必要になるため、まずは信頼できる業者に相談するのがスムーズです。
火災保険を活用すれば、自己負担がゼロになることもあります。 知らずに全額支払ってしまうのは、非常にもったいないですね。
4.3 無駄な出費を避ける3つのコツ
補修工事は決して安いものではありませんが、次の3つのポイントを押さえるだけで、無駄な出費をぐっと抑えることができます。
① 劣化初期に対応する
軽度な症状であれば部分補修で済みますが、放置すれば張り替えや下地の修繕まで必要になります。早めの対応が結果的に最安になるパターンが多いです。
② 相見積もりを取る
1社だけで決めず、最低でも2〜3社から見積もりを取ることが鉄則です。同じ内容でも価格差が出たり、工法の違いがわかることもあります。
③ 補助金や保険の制度を活用する
前述の火災保険のほか、自治体によってはリフォーム助成金制度が使える場合もあります。住んでいる地域の制度を調べておくことで、補修費用を軽減できることがあります。
費用は「かかるもの」と思いがちですが、情報を集めることでしっかり抑えることができます。
▶︎5. ガルバリウム鋼板の補修工事の流れと事前準備
5.1 現地調査〜見積もり〜施工の基本ステップ
ガルバリウム鋼板の補修工事は、思いついたその日にいきなり工事が始まるわけではありません。事前の調査から施工完了までには、いくつかの段階があります。
おおまかな流れは以下の通りです。
現地調査(無料対応の業者が多い)
施工業者が訪問し、屋根や外壁の状態をチェックします。劣化箇所の確認や面積の測定、写真撮影などが行われます。
見積もりの提示と工事内容の提案
調査結果をもとに、最適な補修方法と費用が提案されます。内容に納得できれば契約へと進みます。
工事のスケジュール調整と施工準備
天候や周辺環境を踏まえて、施工日程が決定されます。足場の設置や養生などもここで準備されます。
補修工事の実施
作業は1日〜1週間程度が一般的です。部分補修なら半日で終わることもあります。施工中の写真を記録してくれる業者もあります。
完了確認とアフターフォロー
仕上がりを施主と一緒に確認し、不備がないかをチェック。保証内容の説明や今後のメンテナンスアドバイスが行われます。
このような手順を経ることで、安全かつ確実な施工が行われます。
5.2 工事前に確認しておきたいポイント
スムーズな工事のためには、施主側でも事前に確認・準備しておくことがいくつかあります。
よくあるチェックポイントを以下にまとめます。
工事日程は天候予備日も含めて余裕を持たせる
特に屋根工事は雨天順延になることがあるため、予定に余裕を見ておくと安心です。
周囲への配慮(挨拶や駐車場の確保)
工事音や足場の設置でご近所に迷惑がかかることもあるため、事前に一言伝えておくのがベターです。
生活動線の確認(出入口・洗濯・エアコンなど)
足場設置や作業動線によって、一部の出入口が使えなくなることがあります。洗濯物やエアコンの室外機の位置にも注意が必要です。
また、工事中の立ち入り可能エリア・工事時間帯も事前に打ち合わせしておくと安心です。
事前準備のひと手間が、トラブル回避と工期短縮につながります。
5.3 施工中によくあるトラブルとその防ぎ方
ガルバリウム鋼板の補修工事では、以下のようなトラブルが起こることがあります。
ただし、事前に知っておくことで、ほとんどの問題は防ぐことが可能です。
① 工事音や振動が気になる
屋根や外壁を叩く作業や足場の組立て時に、大きな音や振動が発生することがあります。防ぎきれない部分ではありますが、事前の案内とスケジュール調整でご近所トラブルを回避できます。
② 施工中の天候悪化で中断
作業中に急な雨が降ると、工期が延びたり、作業内容に変更が出ることがあります。初めから予備日を設けた日程で進めると安心です。
③ 仕上がりに納得できない
工事完了後に「ここが思っていた仕上がりと違う」と感じることがあります。これを防ぐために、契約前に仕上がりイメージや過去事例を見せてもらうことが効果的です。
その他にも、職人の出入りや資材の保管場所など、気になる点は事前に確認しておきましょう。
事前の打ち合わせと信頼できる業者選びが、トラブルを防ぐ最大のカギです。
▶︎6. まとめ:ガルバリウム鋼板の補修で後悔しないためのポイント
6.1 早めの対応がコスト削減と安心につながる理由
ガルバリウム鋼板は耐久性に優れた建材ですが、「メンテナンスフリー」ではありません。
小さな劣化を見逃してしまうと、そこから錆や雨漏りが進行し、大規模な修繕が必要になるケースも珍しくありません。
たとえば、軽度の錆びで済んだはずの場所が、数年放置したことで下地まで腐食し、数十万円の張り替えが必要になったという事例もあります。
反対に、劣化初期に補修すれば、数千円〜数万円程度で済むことが多く、費用を最小限に抑えることができます。
「まだ大丈夫」と放置するより、「今のうちにやっておく」ことで安心もコストダウンも得られます。
6.2 定期的なメンテナンスの重要性
定期的な点検と簡単なメンテナンスを取り入れることで、補修が必要になるリスクを大きく減らせます。
おすすめのメンテナンス頻度とポイントは以下の通りです。
年に1回は屋根・外壁の目視点検を行う
雨上がりや台風の後は早めに状態をチェック
落ち葉やゴミが溜まっていたら取り除く(錆の原因)
また、10年に1回程度は専門業者に状態を見てもらうことで、素人では気づけない劣化も早期発見できます。
特にガルバリウム鋼板は一見キレイに見えても、内側で腐食が進んでいることもあるため注意が必要です。
6.3 専門業者に相談する際のチェックリスト
最後に、ガルバリウム鋼板の補修を専門業者に依頼する際に確認しておきたいチェックポイントをまとめます。
依頼前に確認したい5つのポイント:
ガルバリウム鋼板の施工実績があるか
調査・見積もりが無料で対応可能か
見積書の内容が明確か(材料費・工賃の内訳)
保証内容や施工後のサポート体制があるか
強引な営業がなく、説明が丁寧かどうか
これらを事前に確認することで、「工事後に後悔する」リスクを減らすことができます。
信頼できる業者としっかり相談しながら進めることで、納得のいく補修が実現できます。
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